「…これ着なっ!」
「……え?」
永澤が黒い上着を脱いで新島に差し出した。
「……で…でも……」
「…いいのいいのアタシ暑がりだし、中は長袖だから!」
下には白いYシャツ着ていたが薄いことには変わりなかった。
「…ほらっ!」
「…………あ…ありがとうございます!」
新島の笑顔を見て永澤も微笑んだ。
「……よしっ!んじゃ私も自己紹介…!」
筋肉質の女性が体勢を直しながら切り出した。
「…名前は長瀬 美奈子(ながせ みなこ)…。仕事は…工場をやっていたんだけど………最近クビになったの…」
「……なんで…?」
背の高い女性が聞いた。
「……ちょっとね…」
女は顔色を悪くしながら話を続ける…
「……まぁ…ちょっと警察に厄介になって………その帰りかな……」
長瀬は髪をたくし上げながら話し始めた……
『……これで長瀬さんがこちらに来ていただく必要はありません…』
『………お世話になりました……』


