『…あっ!ヒドーーい!!』
慌ててナミも追いかけてきた。
森の中から黒い陰が2人を見つめていた……
『…んじゃまた明日!』
『うん!いつもわざわざ遠回りなのに来てもらっちゃってごめんね…』
ナミは森の先にあるポツンとした一軒家のため、1人では危険だと感じた新島は毎日登下校を共にしている。
『いいのいいの!私だって1人で帰るのが寂しいから一緒にいてくれて嬉しいし!』
『ありがとっ!』
ナミの家を後にすると一度森の道を引き返す。
街灯が一切ないため一本道を通る前に一度踏みとどまってしまう。
それでも気合いを入れて最初の一歩を踏み出した……
枯れ葉を踏み込んでいく度にカサカサと嫌な音がする。
さらに風が吹き抜けると怖くなってうずくまってしまうこともあった…
ヒュゥゥゥウウウ……!!
ガサガサガサガサ…!
『……きゃっ!!』
思わず足を止めて目を閉じる。
大丈夫…!…ここを抜けたらすぐ家だ…!


