少しの沈黙の後ゆっくり口を動かし、小さな声で言った…







「………新島 はるな(にいじま はるな)……」
「……じゃあ、はるなちゃん…。…ここに来る前のこと覚えてる…?」

深呼吸をすると新島は話し出した…

「……………確か昨日は友達とカラオケに行って…」











女子高生4人が店から出てくる。
『……楽しかったぁ~!』
『…また近いうちに同じ面子で行こっ!』
『うん!!』
『…んじゃアタシたちこっちだから、またね!』
『じゃ~ね~!!』
新島は力いっぱい2人に手を振った。



新島の行く道はナミと同じ方向のため、2人っきりでいつも森の中の一本道を歩く。


『…ココ、いつ通っても怖いよね…』
『……う……うん。』





『…………』
『…………』


沈黙が余計に恐怖を募らせた。



『……ちょ…ちょっと…少しはなんか喋ってよ!』
『…はるもそう言っていつも喋らないじゃん…!』



顔を見合わせて笑うと、新島は一気に駆け出した。