とにかく手元にある範囲でもガラスを手に取ろうとかき集める…
………?
よくよく考えると何か違和感を感じる…
果たして風でそんな簡単にこの時計は倒れるだろうか……?
普通のトロフィーぐらいの重さはある…
んじゃ一体どうやって……?
…………ッ!!
その時……最も簡単な方法を思いつく…
誰かが……手で……
黒いグローブをはめた手でガラスを割る映像が脳裏に浮かぶ……
『………スゥ……』
…………ッ!
背後に気配を感じる………
目の前の窓ガラスを見ると、自分の後ろに黒い陰が立っていた……
『………う゛わぁああ!!』
「………私も同じような感じね…」
永澤が体育座りをしながら小言のようにつぶやいた…
自己紹介を終えると永澤は淡々と事のあらすじを述べていった…


