「……み…南沢 陽介と言います……大学生です…。えーと……」
一生懸命最後に見た記憶を思い出す……
記憶を辿ると…
同じバスケ部のクラスメイトが脳裏に浮かんだ…
『…じゃ!また明日のサークルでな!』
『あぁ!…陽介、明日は遅刻してくるなよっ!』
『うっせーな!今日はたまたまだっつーの…!』
『………………それよりもよぉ……お…お前あのこと誰にも言ってねぇだろうな……』
突然顔色を変えてきたため、心臓がドキンとなり、それと同時に1ヶ月前の悪夢を思い出す………
『…い…嫌だよ!こんなのおかしいだろ…!……やめてくれ!…や…やめてくれぇぇええ!!…う゛わ゛!!…ギャァァアアアアア…!!!』
バキッ…!
『……あ……当たり前だろ!?言ってねぇよ…!』
『…そっか!…ならよかった!…んじゃ…またな!』
『…………じゃあなっ…。』
そう言うと南沢は夕焼けの中、自宅へ帰った。
『……ただいまー。』
いつになく家の中は暗く、静寂に満ちていた。
父は仕事でいないとしても母がいないのは珍しい…


