バタンッ!



……パサッ…!




南沢が倒れたのと同時に新島が遺した家族写真が入った定期入れを落とした……







「…………………」

永澤はそれに気づくと静かにそれを拾った……




「………痛ってぇ…………」

ここにきて足の痛みが増した。


傷口が更に開いてしまっている…




「…………永澤さん………そろそろ先に進まないと……」

永澤は写真を見たまま放心していた。




扉を開けながら時計を見ると、既に残り15分を切っていた……




「………永澤さん!………………あれ…?」


開けた扉の裏側に再び赤い色の文字が書かれていた……



「………『B』……?」
「………………?」
永澤もチラッとこちらを見た。


「………『Y』……『U』……『B』……?」
「……ゆば……ゆび……ゆぶ……」
永澤がブツブツと何かを喋り始めた……

「……何のこと?」
「……ローマ字で読んだとしたら…次の文字で何か言葉になるかなぁ……て……」