ジリリリリリリリリリリッ……!
ピッ……ピッ……ピッ……


工場の昼の合図のようなベルが鳴ったかと思うと、部屋にある時計がすべて3時を差し、カウントダウンを始めた。
針時計も秒針が逆回りに動いている。


「…ナントカ『てん』って言っていた……」
「…お前らがうるせぇから聞こえなかっただろうが!」
「……てめぇが一番うるさかったじゃねぇかよ!!」
「…何だよやんのか!?」
「…あぁやってやろうじゃないの…!」
筋肉で固められた体を相対させて男女同士がケンカを始めようとした…




「……うるさい!!」
永澤が再び部屋を静かにさせた。

胸ぐらを掴み合っていた2人の手は離れ互いに距離を置く。





「…と…とにかくまずこの部屋から脱出しないと…!」
薄着の女が焦った顔をしながら鋼鉄製のドアを指差した。



「……う…うん…そうね…!」
ラジオから聞こえたヒントが頭に引っかかりながらも、永澤は目先の脱出に注意を向けた。





2:58:20…

2:58:19…

2:58:18……


淡々と時間は減っていく…