「うん。何時もなら学校でほっぺでもちゅーしたら、思いっきりひっぱたいてくるし」

ちゅーて……小学生ですか?

それより、夏琅………


「なに?ビンタしてほしかった?なんなら…今からしようか?」

「いやいやいや!そうゆー意味じゃなくてデスね!!」

顔の前で手を振る夏琅。

だよね。夏琅がM男とかヤダよ…


「なんつーの……気ィ使わないで欲しいっつーの?」

夏琅はうーんと言葉を探してる。

気……使ったかな?


―――こんな生活もあと2ヶ月かもしれないと思うと何も言えない


…………あ、確かに。

でも…あれは………


「気を、つかったつもりはなかったの…。」

「ん?」

「でも…でもね?」


今までみたいに、何も知らないで笑っていた頃みたいには…………もう、過ごせないよ。


だって、もし助かる方法が見つからなかったら…夏琅は、

その先の事なんて考えたくない。


…諦めるつもりはない。

最後の最後まで私は諦めない。

でも、“もしも”の時の事だってちゃんと考えないといけない。

ズキンっと胸が痛んだ。

視界がボヤけた。

涙が溢れそうになるのを必死に堪える。