もしも、世界が美しかったら




俺の前に立ちはだかる小晴。

「行かせない。絶対に行かせないからな!」

「―――……。」

俺は小晴のみぞおちを殴った。

うめきごえを上げる小晴。

「紅鬼族の総長としての、最後の仕事だ。」

「行く、な………玲…」

そう言って気を失った小晴をベンチに座らせ、葵に電話した。

ちょっとヤバいから公園に来てくれ、と……。

これで、小晴は大丈夫だろう。

「ゴメンな、小晴………」



俺は羅奈が溜り場としている、近くの工場裏まで走った。

溜り場についた頃には、土砂降りの雨が体を濡らす。

いきなりやって来た俺を、羅奈の連中は驚いていたけど…俺が一人だと分かるとニヤニヤと笑いだした。

「紅鬼族の総長さんが俺らに何か用か?」

「……紅鬼族は解散する。」

「はぁ!?」

「だから…もう紅鬼族の奴らには手を出さないでくれ。」

そう言って頭を下げた。

これが俺の…総長としての最後の仕事…………。


「じゃあ、土下座しろよ。」

「……は?」

「土下座したら見逃してやる」

「分かった………。」

これで関わり切れんなら安いもんだ。

俺だって色々やったんだし…。

それに………