もしも、世界が美しかったら




―――そういや…何で俺の誕生日知ってんだよ。

(自分でも忘れてたくらいなのに)

―――あー、葵が勝手に玲の生徒手帳盗んで見たんだよ

―――テメッ!理人!!

―――泥棒は良くねぇぞー

―――うるせぇ!!

こんな楽しい誕生日は初めてだ。

そう思いながらケーキを頬張る。


―――あ、玲。これ………

小晴から渡された小さな小包。

丁寧にリボンでラッピングまでしてある。

―――何だよ、これ?

―――開けて見てよ。

―――……?

リボンをほどき、箱を開ける。

そこには薔薇のように鮮やかな紅く輝くピアス。

―――俺ら、紅鬼族からの誕生日プレゼント!

―――14歳の誕生日おめでとう

“生まれてきてくれて”

“此処に転校してきてくれて”

“ありがとな”

―――…ッッ

生まれて初めて……誕生日ケーキという物を食べた。

生まれて初めて……誕生日プレゼントという物をもらった。

生まれて初めて……生まれてきて良かったと思った。

生まれて初めて……嬉し泣きというのをした。


―――あっれー?玲、泣いてる?

―――お前、意外と可愛いな…

―――るせ……