もしも、世界が美しかったら




――――翌日

「愛輝…準備できた?」

「うん……」

俺たちは3日ぶりに、病院へ行くことにした。

心臓手術を終えて3日が経ったが未だ夏琅は目を覚まさない。

明美ちゃんは由輝のお葬式の事でさっき出て行ったらしい。

移動中……愛輝は一言も口を聞かなかった。


愛輝は夏琅の病室の扉に手をかけた。…が、少し開けるとそのまま止まってしまった。

「愛輝…?」

「利…玖…っ」

「…?」

愛輝に指差され扉の隙間から部屋を覗いた。

「…ッッ」

俺は思わず息を飲んだ。


「お願いします!夏琅が目を覚ますまで、由輝君の葬儀は待ってもらえませんか!?」

「あいつら本当な仲良かったんです!夏琅にも由輝君の葬儀に出席させてやって下さい!」

「このままじゃ、由輝君も夏琅も後悔すると思うんです!お願いします!」

そこには明美ちゃんと医師に頭を下げる來、涼介、花梨。

明美ちゃんと医師は少し困った顔をしている。

あいつら……。


「明美ちゃんっ!」

気付けば俺は部屋に入っていた。

「利玖?」

「夏琅が目を覚ますまで、由輝の葬式は待ってください!」