もしも、世界が美しかったら




「あ、そうだ。ねぇ利玖ー」

「なに…?」

「どこ行ったか知らない?」

「誰が?」

「由輝ちゃん。2日前くらいから帰って来ないんだー」

そう言って起き上がる愛輝。

俺はベットに座る愛輝の前にしゃがみ視線を合わせた。

「あのな、愛輝…」

「うん?」

「由輝は…………死んだんだ」

胸が引き裂かれる様に痛かった。

苦しかった。悲しかった。

「利玖…?何言ってるの?」

「…………。」

「あ、思い出した!由輝ちゃんねバスケの合宿行ってるんだよ?」

「愛輝……」

「すっかり忘れてた。」

「愛輝…っ」

「明日には帰って来るかなぁ?」

「愛輝!!」

俺は愛輝の腕を掴んだ。

「利玖……痛いよ。」

「愛輝…由輝は死んだんだよ。
もう帰ってこないんだ」

自分で言ってて涙が溢れた。

「…………何言ってんの?」

愛輝の顔から笑顔が消えた。

みるみる歪んでいく表情。

「由輝ちゃんは死んでないよ。」

「いつ…」

「やめてよ。……そんなこと言わないで!!」

「愛輝、聞いて…?」

「ヤダッ!聞きたくないっ!もう帰ってよ!!」