もしも、世界が美しかったら




「うっぜー………。タバコ吸ってたらキスが不味いって好きな子から嫌われんぞ」

「良いよ。どうせホントに好きな子とはキスできないから」

「…………寂しいな、お前」

「悪かったな」

ふんっと顔を反らす。

由輝があははっと笑った。


「夏琅………寂しがってんぞ」

小さく呟いたため、由輝に聞こえたかわからない。

でも、ちゃんと届いてたようで、「知ってる」と返ってきた。

「今日、顔出してきたから」

そう言って由輝は悲しそうに顔を歪めた。

久しぶりに見た夏琅があまりにも変わり果てていたからだろうか…それとも夏琅と何かあったのだろうか。

細かいことまではわからないけど由輝が泣いていた事はわかった。

由輝は泣いた日や辛いことがあった日は絶対に夜空を見上げる。

昔からの習慣みたいなの。


「でも、寂しかったのは夏琅だけじゃなくて………」

「…??」

「利玖もじゃねーの?」

「……はあ!??」

危うくタバコを落としかけた。

「だってお前さ、俺と数日ぶりに会った時は絶対にタバコ吸うし。それって寂しかったとか、構って欲しいってサインなんだろ?」