もしも、世界が美しかったら




俺ン家のベランダと由輝ン家の
ベランダは繋がっていて柵で区切られているような感じ。

高さは1メートルくらいだから、よく柵を越えて互いの家を行き来している。

外は蒸し暑くて風呂上がりなのにじんわりと汗が滲む。

「久しぶりだな」

「おー」

由輝は最近部活が忙しくて、隣の家だといえど、なかなか会っていなかった。

……と、いってもたかが数日。

でも、たかが数日の割には由輝の姿が少し懐かしく感じた。


「お前さー…部活も良いけど、
たまには夏琅のお見舞いも行ってやれよ?」

「……………わかってるよ」

不機嫌丸出しの由輝は、持っていた缶ジュースをあけた。

プシュッと爽やかな音がなる。


「それが原因で愛輝と揉めてるんだって??」

「何で知ってんの?」

「男のカン。ま、長い付き合いですから!兄妹ケンカの理由くらいなら、大体わかるっつーの」

「ふーん」

興味がないのか由輝はごくごくとジュースを飲んだ。

ポケットに入っていたタバコを取り出し、1本火をつける。

「くさっ」

あからさま嫌そうに顔をしかめる由輝の方に煙を吐いた。