もしも、世界が美しかったら





「つーかさ、何でこんな時間に居んだよ?……まさか生き霊!?」

「んなわけあるか!最近お見舞い来れてなかったからさ…」

苦笑すると「んなこと気にしなくても良いのに」って笑う夏琅。

いつもと変わらない夏琅の様子にどうしようもなく安心する。


「最近どーだ?ギターの練習は?大丈夫か?そういや、部活は?もうすぐ大会だろ?」

「一気に聞くなよ。ギターも部活も超充実!」

「そか!なら、良かった。他は?何かあった?」

やたら俺の話を聞きたがる夏琅。

ずっと病院生活の夏琅は同じ様な毎日でヒマなんだと思う。


「あ、お前。珍しく兄妹ゲンカしたらしいな。愛輝、ずっとグチってたぞ。」

「ふーん。何て?」

「んーとな、確か『由輝ちゃんなんてサイテー。バカバカバーカ』とか何とか。……で?いつ仲直りすんの?」

「仲直り、ねー……」

笑顔がひきつってる気がする。

…………何となく。

ケンカしたとき先に折れるのは
いつも愛輝の方だ。

大体「由輝ちゃんなんかダイッキライ!」って飛び出して、数時間後には謝りに来て「由輝ちゃんダイスキだよ」って言ってくる。