もしも、世界が美しかったら




もちろんだが、妹の愛輝からは
メールも電話も1つもなかった。

そんな事より気になるのは着信。

なんだ…?この着信の量は。

不審に思いながらもメールBOXを開く。

と、同時に利玖から電話がかかってきた。


「もしもし、俺だけど?どうかし………――― っ、」

俺は電話をきると同時にエナメルを掴み、走り出していた。

後輩たちが何か言っているが、返事してなんかいられない。


汗が流れるのは走っているから。

心臓が早く動くのは走っているから。

そうだ、絶対そうに決まってる。


『夏琅の病気が』

『急激に悪くなってる』

なんて…。信じられるかよ。





走って走って走って走った。

そして着いた場所は、夏琅が入院している病院。

「っは…はぁ……ッ……」

息を整え病室に入る。

白い天井。白い壁。

白いベットに白いカーテン。

全てが白の世界に黒い頭が1つ。

死んだようにという表現がピッタリだけど、規則正しく胸が上下しているのをみて安心する。


「夏琅………」

俺はベットの横に備えてある来客用のイスに座った。

そっと目を閉じれば、瞼に映るのは数ヵ月前の俺たち。