彼女が大学生の時は、彼氏ができたって、何度かノロケ話に付き合わされたな・・・

その時は、真剣に話をきいてあげてたけど、今思うと結構切なかったかも?

やっぱ、ちょっと年上で、大人でちゃんと仕事してて、趣味が合うような人がいいんだろうなって、話をきいてて思った。

だから、絶対僕なんか無理ってあきらめたんだ。



それから3ヶ月ぐらいで、すぐその彼と別れちゃったみたいだけど、その時も呼び出されて、ものすごーく凹んでたっけ・・・

ミヤコさんとか、他の女友達も集まっていて、必死にカオリさんのことを慰めていたことを覚えてる。

僕はあの時、なにも気のきいたこと言えなかったな。



ベットに寝転びながら、色々と昔の事を思い出していると、やっぱ好きだったんだなって改めて思う。

はじめは、面倒見の良いお姉ちゃんみたいに思ってたけど。




メールの返事は、まだこない。

いつもそんなに、即レスする人じゃないからね。


やっぱ、いきなりキスしちゃったんだもん、なんて返事したらいいかわからないよな。


ぼんやりしていたら、もう出掛けなきゃ間に合わないくらいの時間になっていて、慌てて着替えると、お母さんに行ってきますと言い残して家を出た。

下の居間には、いつものようにべべさんとか母さんの友達が何人かきていて、みんなに「デートにでもいくの?」なんて冷やかされたりした。




地下鉄に乗って、六本木で降りると、そこから麻布まで暫く歩いた。

おじいちゃんとご飯する時は、いつもこの辺だし、ビトのレッスンに付き合うこともたまにあったから、何となくきなれている。



指定された、ちょっと高級な焼肉屋に入る頃、カオリさんから丁度メールの返事が届いていた。