遅く起きた日曜日、久々に何にも予定がなくて、ちょっとボーっとしたまま下に降りて行ったら、早朝帰ってきたはずの母さんはもう起きてちゃんと食事の用意をしていた。

お父さんは、まだ寝てるみたい。



母さんに、おはようって声をかけたあと、ぼんやりと一人でご飯を食べていたら、モモが帰ってきたところだった。


「ただいまー。なにレン今頃起きてきたの?」


モモは僕の隣に座って、一緒に昼食を食べながら、今日も出かけるんだと楽しげに話してる。


「ビトが今日ショーに出るんだって。久々に招待してもらっちゃった。」



いつもは、ファンの子にキャーキャー言われてるビトの姿にやきもちやくくせに、今日は珍しく楽しみにしてるみたいだったんで意外な感じだ。

心境の変化でもあったのかね?
それとも、ファンの子は入れないようなショーなのかな??


「へえ、どこでやんの?」

ちょっと興味があってきいてみたら、原宿だよってまたニコニコしながら答える。


「あ、そうそう、エイジ君もきてくれるって。
なんか彼の好きなブランドみたいだから、一緒にくればってビトに言われたんだ。」


なんか、僕の知らないとこで、みんな仲良くやってんだな・・・まあいいけど。

そういうブランドのこととは、僕は詳しくないし、そういう点ではビトとエイジは気があいそうだしな。




モモは食事を終えると、久々に外でのデートだからか、自分の部屋に篭ったまま長いこと準備をしている様だった。

そんなモモの姿、久しぶりなんでちょっと嬉しいや。

最近ずっと、ビトのファンの目を気にしてめったに外出してなかったから。



僕も食事を終えて、自分の部屋で何となくぼんやりしていた。

カオリさんにメールしたいな・・・



でもなんて打てばいいんだろ?

あんなことしちゃった後だから、ちょっと悩む。



このまま放置してたら、何となくまずい気もするし

ああ、カオリさんのほうから、メールこないかな・・・





うだうだベッドの上で悶えていたら、いきなり携帯の着メロが鳴り出して、ちょっとびくっとする。

メールじゃなくて、電話のほうだ。