「汚れるか…」

ああ、みんなセックスをすると、そんな風に思うもんなのかな?

自分は、そんな風に思ったことがなかったので、なんだかちょっと変な気分だった。



だって、あの時のリンダは、とても綺麗で、
あの後も何度もそういうことがあったけど、
他の男とやってたのも知ってたけど、
それでも汚いなんて思ったことなかった。





だって、セックスを汚いものと否定してしまうなら、自分達の存在自体を否定するもんなんじゃね?


みんなそうやって生まれてきたんだから・・・





「お前、モモを神聖化しすぎ・・・
あいつだって普通の女だし、人並みに性欲だってあるよきっと。」



この前モモに相談されたときは、そんな感じがしたもんな。

いくら大事にされてるってわかっていても、そういう欲ってのは誰にでもあるもんだ。



「でもなんとなく、嫌なんだ。
そういうことは、ちゃんと大人になってからすればいいって、そう思うし・・・」



なんかじれったくなって、やりたいならちゃんとしてやればいいのにって思わず言いそうになった。


「そんなにじらしまくってたら、モモだって心変わりするかもよ?」


ちょっと意地悪くそう言ったら、そうかなってちょっと不安げな顔をして、ビトは俺の顔をじっと見る。




「せめて、僕が18になって、きちんと結婚できる年になってからにしようって思ってる。」



まだ3年もあるじゃんって言ったら、たった3年だよって平気な顔をしてビトは笑った。



「僕は13年もの間、ずっとモモちゃんのことが好きだったんだから・・・」




ビトがあまりにも、まっすぐにそう言うから、ああこいつらの絆ってそれほどまでなんだって凄く羨ましくなった。



でも

「それって、ちゃんとモモに言ってあるのかよ?
女って、そういうのちゃんと言わないと、わかんねーよ、きっと。」



そうだよねって、ビトは案の定勝手にそう自分で決めてたって、苦笑いした。



「言わなきゃ伝わんないもんね・・・
今度会うときにでも、ちゃんとモモちゃんにも話さなきゃな。」