「お前もシャワー浴びてきたら?」

そういって、レンに風呂場の場所を教えて、バスタオルを差し出す。


「ああ、変な奴がいるけど、気にしないで。」

わかったーとか返事をしながら、レンは部屋を出て行った。


まだ早いから、母さんは起きてこないだろうな。
朝ご飯どうしよう?

俺一人なら、食べなくても大丈夫だけど、レンはめっちゃ食べそうだし。

そんなことを考えながら、すっかり着替え終わり、髪のセットも終わったけれども、レンはいつまでたっても戻ってこなかった。


なにしてんだよって思いながらリビングに行くと、レンと親父が仲よさそうにキッチンでなにかを作ってる。



「お前なにしてんだよ、早くしないと学校遅れんぞ!!」


レンはやけに楽しそうに、今いくーって返事をしてこっちに戻ってきた。



「なんか、テツさんが朝ご飯作ってくれるって。食べてくでしょ?」


うちの状況も知らないで、能天気にそんな事言うから、思わずああとか返事をしてしまった。


「すぐ着替えてくるから、エイジは先に食べてなよ。」



そう言い残して、レンは俺の部屋にさっさと戻ってしまった。



なんか気まずい・・・



しょうがないから、ダイニングのテーブルに座って、そこに用意してあったコーヒーをついで一人で飲んでみた。



「あいつ、お前の同級生なんだってな?
お前の友達にしては、普通でおもしれーな。」


親父は、なんだか上機嫌で、目玉焼きとパンを焼いている。

こんなことしてる姿初めて見たかも?ってくらい意外で、ちょっと拍子抜けする。



「いきなりきて、なにしてんだよ。母さんは?」


それだけ聞くと、さっき寝たばかりだから当分起きないかもって、まあ想像どおりの答えがかえってきた。


「俺は目が冴えちゃってさ、こんな朝早くからメシ作ってんのって、久々だな。」


テーブルの上に、目玉焼きと味噌汁とトーストがが用意され、すっかり準備ができた頃、レンもこっちにやってきてテーブルについた。