「また、そんなんばっか飲んでっから、子ども扱いされるんじゃね?」


エイジは僕と違って、いつもブラックの缶コーヒーを飲んでる。
それがなんか、ちょっと悔しいけどかっこよくて、ムカツク。


「だって、まだまだ大きくなりたいもん・・・いいじゃんほっといてよ。」

いつまでも、紙パックのストローに吸い付いている僕を見て、またエイジが笑っていた。




そういえば、明日は飲み会なんだよな・・・
こんな僕でも、ついていけるかな?

カオリさんとか、すっごく飲みそうだしな・・・いつもライブ中、平気な顔してガンガンビール飲んでるし。


明日はネオスカバンドでトランペットを吹いてる、ミヤコさんのうちに集合なんだけど、ミヤコさんもすっごく飲む人だって聞いてたし。

飲めない僕が行っても、ついていけるんだろうか?
無理やり飲んで、記憶がなくなるなんてことがあったら、ちょっといや、かなり恥ずかしい。



そんなこともやもや考えていたら、エイジがどうしたんだよって僕の頭を小突く。


「いや、明日その友達と、飲み会なんだよなって思って・・・
友達んちで飲むから、高校生でも平気だよって言われたんだけどさ、僕飲めないし。」



ふーん、っていいながら、なんかエイジは思いついたようにニヤリと笑って、今夜暇かって聞いてきた。



「今日部活終わったら、うちにこいよ!色々教えてやる。」








「へ?」



僕は行くも行かないも返事を出せずにいたら、いつのまにか決定事項になってしまっていた。

まあいいか・・・昨日エイジもいきなり家にきたんだし、こっちが遊びに行ってもいいよね?