次の日のお昼休み、僕はいつものようにエイジと弁当を食べていた。

奴はいつもと変わらず、普通にしてる。
昨日家にきたなんて、ひとことも言いそうにない感じ・・・


「ねえ、昨日なんでうちにきたの?」


じれったくなって、こっちから言い出してしまった。



「ああ、なんとなく、暇だったから・・・」


僕が疑り深いまなざしで見てたら、なんだよってちょっと苦笑いしながらこっちをチラチラ見る。



「ちゃっかり、モモのメアドもゲットしちゃったくせに・・・
もう、あいつになんかしないでよ!?」


ちょっと怒ったふりしてそう言ったら、エイジはずっとこらえていたように、急に笑いだした。




「なんだよ、そんなムキになるなよ・・・
別にいいじゃん、あいつ結構のりのりだったぜ。」


メアドだけでよかったのに、ついでに色々教えてくれたって、にやけてそう言ったのが、なんとも怪しげだった。



「俺はなんもしなくても、あっちからなんかしてきたらどうすんだよ。」



そんなこと、あるわけないじゃん!って思わず僕は叫びそうになったけど、ちょっと声を押さえた。

なに必死になってるんだろ?
なんとなく、モモがビト以外の男と仲良くするのが、もやもやするんだよ。



「お前って、なにげにシスコン?」


そういってエイジは、相変わらずケラケラ笑ってる。
そんなんじゃないってばって言ってみるけど、モモが大事なのは当たり前のこと。

だって、ずっと一緒に育ってきた兄妹だもん。



「ちゅーかさ、お前もモモのことばっかかまってないで、他に彼女でも作れば?
年上の可愛いお姉さんの友達、沢山いるんだってな。」


なんでそんなこと知ってんだよって言ったら、モモから聞いたってまた不敵な笑い方をされた。



「みんなライブ仲間の女の子ばっかだもん、年下の僕なんか相手にされないよ・・・」


そんな話しをしながらも、さっさと弁当を食べ終わって、さっき買ってきた牛乳のパックにストローを指して一気に飲み干した。