「なあ、モモのメアドは?」

いつもの昼休み、何となく諦めきれなくて、もう一度レンに催促してみる。


「それなら、確認とってないし、教えられないよー
今度会った時にでも、直接モモに聞いてよ。」


今度っていつだよ?って思ったけど、レンは何となく忙しそうで、そこまでいえなかった。

部活やってると、いろいろあるんだろ。




「じゃあさ、モモってどこの高校いってんの?」

「白百合女子だよ。なんで?」

いや、ただ何となくって、ごまかした。

ああ、あのお嬢様女子高か・・・


「あいつ、なんでも母さんの真似したがるからさ・・・母さんあそこのOGなの。」

ちなみに、華道部がある高校だから、入ったんだとか教えてくれた。





白百合だと、うちの高校からはちょっと離れてる。
レンのうちからなら、かなり近いみたいだけど。


今度行ってみようかな?なんてぼんやり考えてしまった。



なんていうかな、気になることはすぐ実行してみたくなる性分なんだよな、俺って。






今夜はバイトもないし、他に予定もないし、レンはかまってくれそうもないし、暇だ・・・

いつもなら、一人でふらふらしてるんだけど、今日はそんな気分でもなかった。



「お前さ、部活何時に終わる?」


やっぱレンのうちにいきてーなって思って、思わず聞いた。

ちゅーか、モモに会いたいんだけどな。


「もうすぐ試合もあるから、7時ぐらいまでかかるかも?」


そっか・・・それまで待ってらんねーな。


黙って一人で行ってようかな?
何とか理由でもつけて。

そんな悪知恵が働いていた。