そんな風に思っていたら、カズおじさんが冷やかすように話し出した。



「あんなモモ珍しいな・・・いつもは初対面の男がいると、かわいこぶってんのにな。」


そういえばそうだな。
あんな素のままのモモって、珍しいかも?

知らない人には、本性見せない奴なのに。



「意識してるんじゃない?」

ボソッと大野さんがそう言うと、そうかもなってカズおじさんが大笑いしていた。




「ふーん、そうなんだ・・・」


エイジが楽しそうに笑ったのが、ちょっと僕を不安にさせていた。





しばらくして、エイジはそろそろ帰ると言って、うちを後にした。

最寄りの駅まで送っていく途中で、またモモの事を話し出す・・・



「レンさ、後でモモのメルアド教えてよ。」


「エー勝手に教えると怒られるから、嫌だ。」


ちゃんとモモに言えばいいじゃんって言われたけど、絶対断られそうな予感がする・・・



「さっきは、ビトの手前あんま話せなかったからさ・・・
あいつ面白そうだし。」


エイジがニヤニヤしてるのが、なんか胡散臭いんだよな・・・


ハッキリしない僕の態度に、まあいいやって素直に諦めてくれたようだった。



「またくれば会えるしな・・・」



まあ、うちに遊びに来るのはいいんだけどね。

母さんとかも、楽しそうだったし。



「いつきても良いけどさ、あんまり飲み過ぎないでよ。」


わかってるよって、僕の頭を、子ども扱いしてぽんぽん叩かれた。







駅の改札でエイジと別れると、僕は一人でぼんやりと考え事をしながら帰った。

意外とエイジとビトって、気があうのかもなって。



ビトは、あんな仕事をしているせいか、友達は僕ぐらいしかいないって言ってたし。

仲よさそうによって来る奴は多いみたいだけど、同じ業界だとどうしてもライバル視されたり、下心のある奴ばっかりだとか。



エイジが、モモに変なちょっかい出さなきゃいいけど・・・