「それっってどういうこと?」

案の定そうやって突っ込まれるので、エイジには好きな人が居るんだってことを伝えたけど、そういえば前にも言ったような?


「それって、モモちゃんの他にも女が居るってこと?」

女って・・・なんかそういわれると、なんだか生々しいなあ・・・



「なんなんだろうな?彼女って感じでもないし、でも何もないわけでもないし、微妙な感じなんだよね。」

リンダさんと一緒に居たときのエイジは、ほんとに子供みたいで無邪気な感じで、一緒に居ると嬉しくて仕方ないって感じに思えた。

あんな姿を知ってると、とてもモモと付き合ってるなんて想像できないんだけど。


「でも、最近は違うのかな? 気持ちが変わったのかな?」


ビトはちょっと神妙な表情をしてじっと僕の話を聞いてくれている。



「それってさ、セフレってことなんじゃないの?」




言い辛かった事をビトははっきりいうから、僕はちょっと言葉に詰まった。

何とか綺麗事に済まそうとごまかそうとしていたから。



「ああ、そうだよね。」


なんなんだろうなあ、僕はリンダさんのことも嫌いじゃないから、みんながうまくいけばいいのになって思うんだけど、どうもうまくいかない。

僕がどうこうできる問題じゃないけどさ。

ビトのこともそうだし、モモとエイジが幸せなカップルになるのに、影で悲しむ人がいるかもしれないと思うと、なんだか切ないけれども・・・





”僕が言ってやる でっかい声で言ってやる がんばれって言ってやる

聞こえるか? がんばれ!!”



僕らが最後に思いっきり歌いきったのは、そんな曲だった・・・