「私のことは、別にいいじゃない・・・」

ちょっとニヤケながらそんなこというので、きっと良かったんだろうなってなんとなく思った。


「別にモモが言わないから、エイジにきくからいいよ。」

そんな風にいってやったら、変な事聞かないでよね!ってダメだしされた。




そういえば、なんでこの部屋に呼んだんだろう?
いつもなら自分たちの部屋でおしゃべりしてるのにな。


モモは母さんのレコードの棚を見ながら、何かを探しているようだった。



「あ、これだ、やっぱりあった。見覚えあるなと思ったんだよね。」


モモが手にしたのは、THE BLUE HEARTSとロゴの入った、白とブルーのジャケットのレコード。


「ちょっとモンパチっぽくて気に入ったんだ。エイジ君ちで聞かせてもらったの。」



これどうやるんだっけ?なんてコンポをいじりながら、二人でそのレコードを聴いてみる。

そういえばモンパチの歌の歌詞にも「ブルーハーツでも聞きましょうよ」ってあったなって思い出した。






”未来はボクらの手の中!!”


そういう出だしではじまるそのアルバムは、なんだか懐かしいような新しいような、それでいてずっといっしょに寄り添っていてくれていたような・・・

ずっとここにあったレコードだったのに、聴いてみなかったことに後悔するようなめちゃくちゃかっこいいアルバムだった。



「私エイジ君の彼女になったよ。」


彼らの透き通るようなガナリ声を聞きながら、モモはそんな風に話した。


「そっかあ・・・ 僕もカオリさんと付き合う事になったよ。」




なんなんだろうな、この不思議な一日は。
双子って、そういうところ通じ合ってしまうものなんだろうか?