「興味ないほうが、おかしいでしょ??

で、リンダさんとは、いつ頃だったの?」


急に核心に迫られて、そんなの教えねーよって、笑ってごまかした。





まさか、会ったその日にやったなんて、いえないもんな。





それはまるで、嵐のような出来事で、自分でも何がなんだかわからなかった・・・


あの時のリンダは、まだ未成年だったけど、やけに大人っぽくて、綺麗だった。


俺が一番後ろの壁際で、睨みつけるようにおやじのライブを見ていたら、知らない間に隣にずっといて寄り添って、俺の手を握っていたんだ。


俺はビックリして、彼女の顔を凝視してしまったら、じっと俺の目を見ていきなりキスをしてくる。


「ねえ、出ようよ…」



それだけ言うと、俺の返事も聞かずに、手を取ってそのままライブハウスを後にした。






「何?誰??」


まだライブ終わってねーじゃんって言おうと思ったら、コマ劇の前あたりにきたところで、急に立ち止まってもう一度キスをされた。



「私リンダ。 あなたは?」



「エイジ」



「やっぱり・・・」


そういって、リンダは笑って、そのまま歩きつづける。





「なんで俺のこと知ってんだよ?お前誰だよ!!」


またおやじの取り巻きだなっておもって、彼女の手を振り解き、思わず切れてそう怒鳴った。


「そんなに怒らないでよ。楽しくやろうよ・・・」



全く動じもせずに、俺の手を取って歩きつづけ、靖国通りまで来ると無理やり俺をタクシーにのせて走り出す。



「東北沢。」


リンダはそれだけ言うと、ずっとタクシーの中では、二人無言になった。