最寄り駅を降りて家路に着くと、家の前でスキップしながら歩くモモが見えた。
なんだかやけにご機嫌だな、そういえばあいつもデートだったんだっけ?


「おかえり、あ、門限ギリギリだね。」

「はあ、よかった間に合った・・・」


ついこの間まで、ビトと分かれて悶々としていたくせに、やけに態度が違う。
それに、いつもよりまして、肌が艶っぽくて知らないシャンプーの匂いまでしてきた。

「ねえ、なんかあったでしょ?」

そう僕が聞こうと思ったのに、同時に同じ言葉を発していた。



とりあえず家に入って、ただいまというと、例のごとく大人たちが宴会をしていて、珍しく父さんも早く帰っていてご機嫌に飲んでいた。


「おかえり~今日はギリギリだな、まあ良いか。」

飯は?っていわれて、食べてきたよってこれまた二人で同時に答えてしまった。


「なんか今日は、一段と双子っぽいね、レン君とモモちゃん。」
そういって大野さんが笑った。


「何だよ、モモも食べてきたのかよ・・・」


僕はあの後、カオリさんがご飯作ってくれるって言うから、ガッツリ大盛りのパスタ食べてきたんだけど、もしかして?


「ねえ、パスタ食べてきたとか言わないよね?」

逆にモモにそうきかれてしまって、何でわかるんだよってあせる。




とりあえず自分の部屋に戻って部屋着に着替えていたら、モモがちょっと話があるって父さんたちの音楽部屋に誘った。