レンが隣で、ダレダレ?って俺のTシャツの袖を掴むのが、うっとうしい。


「友達。」


それだけ言うと、レンは納得できないような微妙な表情で、俺たちの顔を交互にじっと観察し出した。


「あれ?そっちの子は、学校かなんかのお友達?」

リンダが不意にそうフルので、そうだよって答える前に、調子よくレンは話し出す。


「どうもはじめまして~♪
僕、エイジのクラスメイトのレンです!?
お姉さんも、綺麗ですね~」



恥ずかしげもなく、そんなことを言うから、こっちが恥ずかしくなったけど、リンダは意外にも嬉しそうにレンと握手をしていた。



「珍しいじゃん?エイジが同級生連れてくるなんて・・・」

リンダはそういって笑いながら、ビールを口に運ぶ。

そのしぐさが、いつも色っぽくて、なんだか悔しくなる。








リンダは、俺の初恋で、初めての女だった。

でも、彼女とかじゃなし、まともに付き合ったこともない。

ただ一方的に、俺が好きなだけ・・・








「ねえ、今夜はテツさんはこないの?」




それは、いつも聞かれるけど、一番聞きたくない言葉だった。


「知らない・・・」


俺はちょっと俯いて、それだけ言った。


「ふふ・・・拗ねちゃった?」

リンダは、からかうようにそういっていつも笑う。


わかってるくせにそう聞くから、いつも嫌なんだ・・・




リンダは、ずっと俺の父さんのファンで、それがきっかけで俺に始め近づいてきた。

こっちが惚れているってことに気付いてからは、うまく調子を合わせてからかわれることも多くなった。






リンダはあの時、どんな気持ちで俺に抱かれたんだろう?



っていうか、俺がリンダに抱かれたのか?





未だにあの時の事を思い出すと、切なくなって、たまらなくて、泣きそうになる。