「ちょっと、レン…臭い。」


モモは急に笑い出して、僕の胸からはなれていった。




「ああ、さっき焼肉食べてきたから。」

僕も笑ってゴメンって言ったら、そういう臭いじゃないもんって、また笑いながらモモは怒ったように言う。



「子供のときは全然気にならなかったのに、最近のレンってちょっと違う匂いがする。
なんかさー、やっぱ兄妹ってそんなもんなのかな?
変なことにならないように、うまくできてんのかもね?」



そう言いながら、僕らは二人でまた笑った。


確かに、肉親の匂いって、特に臭く感じるもんなんだって、なんかで聞いたことがあるな。

モモは何となくいい匂いがいつもするけど、それはカオリさんとかに感じるようなものじゃなくて、全くドキドキなんかしないもん。



よくさ、漫画や携帯小説で、兄弟同士の恋愛ネタあるけど、僕はそういう感覚さっぱりわかんない。




それから、悲しい空気がチャラになったような気がして、僕は安心してモモの部屋を後にした。





モモはお風呂に入るといって、着替えをもって自分の部屋から出て行き、僕も自分の部屋に行った。






今はまだ、余計なことを考えるのはよそう・・・



色々考えたいことや、考えなきゃいけないことが多すぎるけど、僕はもろもろの事を放置して、そのまま眠ってしまっていた。