「ありがとうございました・・・あの、おいくらですか?」

モモが財布を取り出して金を払おうとするので、ここは俺が出しとくからって引っ込めさせる。



「いや、もう営業時間外だったし、今日はカットモデルってこと大丈夫。
その代わりモモちゃん、またカットモデルしてくれない?
凄くいい髪質してるし、モモちゃんなんでも似合いそうだからさ・・・」



笹沼さんはそういって、自分の名刺をモモに渡しながら、またきてねって笑顔で送り出してくれた。


俺たちは、その言葉に甘えてそのまま店を出ていった。








明治通りから表参道の交差点に向かって二人で歩く。

俺は自然と、モモの手をしっかりと繋いでいた。


離してしまうと、今にも倒れそうな、そんな気がしたから・・・




ビトの代わりに、俺が守ってやらなきゃ・・・・そんな風に思っていたのかもしれない。

今まではきっと、レンが守ってやってたんだろう。


王子様の元へ急ぐ 姫を守るためのナイト
なんだかそんな気分だ。



表参道の交差点で駅方面に曲がると、なだらかな坂道になっている。

髪を切って、少し吹っ切れた様子を見せていたけど、やっぱりモモはちょっと不安げな顔をしていた。