終業式前日―― 私は北山駅で、順子の到着を待っていた。 私には残された時間が、もう少ない… 昨日の朝目が覚めると、1本の長い髪の毛が首に巻き付いていた。 何度切ろうとしても、何を使っても全く切れない。 それどころか、少しずつ絞まってきているみたいだ… 私は坂道を転がり落ちる柴犬の首を、鮮明に思い出した。 あれは、近い未来の私の姿なのかも知れない―― .