街には、夕暮れが迫ってきた――
母は父の入院している病院に行っていて、遅くなると言っていたし…
私はサトシに、この店のハンバーガーを一つ買って帰る事にした。
帰宅中の電車の中で、隣にいた智子が言った。
「ただ、不思議なのは、なぜ小夜子なんだろう?
何で小夜子に…」
確かに…
私にはあの女に取り憑かれる理由が、全く思い当たらない。
智子と別れた後も、私はその事を考えた。
「ただいま」
「おかえり」
サトシが珍しく、早い時間に帰宅していた。
「サトシ、ハンバーガー買ってきたけど食べる?」
「え――!!
早く言ってよ。さっきラーメン食べちゃったよ」
「いらないの?」
「い―よ。
姉ちゃんが食べなよ」
せっかく買ってきたのに…仕方ない、自分で食べようか。
.



