この頃には、既に私は気付いていた。

小説を書いている間だけは、何も起きない事に…



その日の授業が終わると、私は急いで下校した。

当然、携帯電話で小説を書き続けながら…



電車から降りると、全速力で改札口を抜けた。もう携帯電話ショップは目の前だ。

あと少し…
あと少しで、あの携帯ショップに着く。

夕方の駅前、交通量が多くなった駅前通りを、左右を確認し慎重にに渡った。


目の前に、目的地である携帯電話ショップが見えてきた。

あと30メートルで到着する!!



ドン…


その時、背後から買い物帰りのオバサンがぶつかってきた。

あ――!!

私は思わず、携帯電話をアスファルトの上に落としてしまった。


「や、やば……」

携帯電話を拾おうと手を伸ばした瞬間、携帯電話の画面が勝手に変わり、白紙の次の頁になった――!!


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