窓の外を見ると、弟のサトシがジョギングに行くところだった。


まさか…
次はサトシを!!



「アハハハハハ…」

不意に背後から笑い声が聞こえ、私は慌てて振り返った。


するとそこには、あの女がベッドの上に座り、ジッとこちらを見ている姿があったのだ!!


透き通る様な白い肌に長い黒髪、私を嘲笑う目は黒目までが真っ白で、死人そのものだった――

女は暫く私を見詰めていたが、スーッと壁に溶け込む様に消えた…



私は直ぐに携帯電話を握り、小説を書き始めた。

主人公の弟が、決して作中に登場しない様に――


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