テレビから、騒がしい音が聞こえる…



気が付くと、私は1階にあるリビングのソファーに寝かされていた。


「もう小夜子、突然携帯電話握ったまま倒れるから、母さん驚いたわよ…」


え――
け、携帯電話?


ハッとして自分の手を見ると、確かに携帯電話を握っていた!!

私の額に汗が噴き出してきて、背筋に悪寒が走った。


な、なぜ…

確かにあの時、部屋の壁に思い切り投げ付けたのに――!!


その時、その携帯電話にメールが届いた。少し躊躇しながらもメールを開くと、智子からだった。


>病院って退屈。
早く帰りたいよ~
もう、こっそり逃げ出しちゃおうかなあ。


あれ…?
まだ文章が続いて――



>逃がさない。
逃がさない。
逃げられない…
私からは、絶対に逃げられない!!



私の目から止めどなく涙が溢れ、ソファーの上にポタポタと落ちた。


なぜ私が…
なぜこんな事になってしまったのだろう――


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