学校が終わると、私は直ぐに、駅近くの病院に搬送された智子の見舞いに向かった。



かなりの重傷だと思っていた智子は、左足を骨折しただけで、あとは擦り傷程度で生命には全く問題ないとの事だった。

私はその話を聞き、心の底から安堵して全身の力が抜けた。


その後…

意識が回復していた智子と、窓の外が暗くなるまで話をして家路に着いた。



朝から緊張していた為に疲れたのか、私は電車の中で座ったまま眠ってしまった…


ほんの2駅の短時間だったが、私は不思議な夢を見た。


会った事も見た事もない長い黒髪の女性が、私に何か言っていた。

「友理…ねえ、友理…
あなたは、私の代わりになるのよ――」


そう言うと足先から徐々に薄くなり、スーっと消えていった…


そして、全身が背景に溶け込んで見えなくなると、少し高い声で笑った――



この笑い声は……



私は不思議な事に、駅に到着する直前に目が覚めた。


.