そこまで話すと母立ち上がり、鏡台から木箱を持ってきた…

箱を開けると、中には絹に包まれた胎児が入っていた――



「この子が小枝子…」

確かに、不思議な事に鼓動が聞こえる。



私はその鼓動を聞いていると、急に目眩がしてきた…

ふと時計に目をやると、午後3時5分を指していた。



「何も心配しなくてもいいのよ…

小夜子も小枝子も、そしてサトシも、お母さんの大事な子供達だからね」



母は私を見ながら話を続けた。


「それにね…

サトシにも、智子さんにも、それに順子さんにも、この事は以前から話してあって知ってるから…

安心しなさい。



小枝子――…」


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