私の専属執事。

キーンコーンカーンコーン


授業も終わり、急いで家に帰る。


徒歩と電車と合わせて約1時間。


どんなに急いだって家に着くのは4時半を過ぎる。


だけど今日は急ぎ足で帰った。


少しでも遅いと思われたら文句言われかねないもん。


ガチャッ


「ただいまー。」


「お帰りなさいませ、楓お嬢様。」


「ただいま、神木さん。
お父さんは?」


「30分ほどでご到着すると連絡がありました。
こちらに着替えて50分後に旦那様の書斎に、と伺っております。」


そう言って渡されたのは、いかにも『洋服入ってます!』ってかんじの箱。


「ありがと。」


箱を持って、部屋へと向かう。


胸には憂鬱さを抱きながら。