そんな風に見られていたのか

「周りの人間を下に見てると、面白いものも面白くなくなるぞ」

龍野は笑って言った

その言葉は僕の心に深く響いた


それと同時に、深く反省した。

確かに、僕は、古田や小林たちをよく知りもせずに、くだらない、役に立たないと決めつけていた


周りを下に見てる証拠ではないか


それに気づかせてくれた龍野は、僕の恩人だ

「―ありがとう」

自然にその言葉がでてきた。

「ん?なにか言った?」

いつもののんきな声で聞いてきた


「だから…ありがとう」


生まれ初めて人に、ありがとうと言った気がした

「何が?何のありがとう?」

どうやら龍野には何故感謝してるのかは伝わらなかったようだ。

でもそれでもいいと思った。
それくらい、感謝をしてる

「何でもない」

一言言うと僕は小林たちのところへと向かった