‐常連‐


 次の日の朝、ぼくはどうしても起きることが出来なかった。

 昨日、あれから母が学校に電話すると言うのをぼくは何度も「やめて」と懇願した。事が大きくなるのは嫌だったし、先生に過保護っぽく思われるのはもっと嫌だった。

「今日は休む?」

 このまま起きなければ、母は昨日のことを先生に言ってしまうに違いない。なんとか布団から這い出して、準備を済ませる。時計を見ると8時15分を過ぎていた。確実に遅刻する時間だ。

 二階から下りると、玄関で姉が待っていた。姉はぼくの腕を掴むとそのまま学校まで引っ張っていった。



 学校に着くと、姉はぼくを連れて職員室に向かう。

「ゆ、ゆーちゃん!」

 ぼくは抵抗したが、姉の力には叶わなかった。