七色の糸(仮)

「仲良いの?」

 先生がぼくのほうに話を振ってきた。

「いえ……」

 ぼくは目を合わせずに首を振って答えた。
「……普通です」と小山くんは言った。



 それで会話は終わった。先生は再び本に集中し始めた。水槽のモーター音が響き出す。

 小山くんの視線を感じたが、どうせ話してもぼくがつまらない人間であることを証明してしまうだけだ。ぼくは小山くんのほうを向かずに、テーブルに顔を伏せた。



 ぼくは久々に同学年の人と言葉を交わして疲れていた。しかも、まだ見られているような気がして、緊張がなかなか解けない。



 ぼくはペン吉のことを思い出した。

 目を瞑っても、ただ暗いだけだった。意識を集中して心の中で何度も呼びかける。

 しばらくすると、白い影が現れた。

 ぼくは、ほっとした。