別れるたび、相談のたびにわたしはユウの家に行く。

友達歴2年。たった2年だけど、周りの女友達の何倍も仲が良い。

ぶっきらぼうな物言いのくせに、変に優しいとこがあるから、ユウを嫌いになることなんて絶対にない。

出逢った当初から、この優しい手がお気に入り。



「ユウの手には、癒しの魔法があるんだわ」

「なに。遂に頭イカレタ?」

「ひどい。褒めてるのに」

「普通、癒しは女の手にあるもんじゃねーの? 俺は男より女に癒されたい」

「ユウの手はトクベツ。ユウの手はわたしを癒すために出来てるのよ」

「ずいぶん自分勝手な言い分だな。俺は癒すより癒されたいよ」



はぁーと今日何度目かもわからない溜息をユウはまた吐いた。
呆れたような態度をとるくせに、そのわたしの頭を撫でるその手は止めようとはしない。


やっぱり、ユウの傍が1番好きだわ