* * *

大学生にもなってちゃんとした恋ができないなんて、カッコ悪すぎる。

こんな気分になった時。わたしは必ず奴のところに行く。




「なに、まさかまた別れたわけ?」



まさにガーン!と頭に何かを落とされたようなカンジがした。

核心をつかれた言葉に、その瞬間わたしは力が抜けたようにその場に座りこんだ。


ユウのその言葉に否定も肯定も返さないのはいつものこと。
何も言い返せないこの行動が、肯定の意味だということを彼は毎回のことにわかっている。
その証拠に、彼は深くため息をついた。



「今回は?」

「‥‥一週間‥」

「ご愁傷様。なに今度は。DV男、アル中、浮気、さぞかし素敵な性癖持ちのヘンタイ野郎?」



歴代の彼氏達は、今思い出すだけでも良い性格と言える奴は一人もいなかった。
今回だって



「‥嫉妬深いストーカー野郎」

「男運の無さも限度があるだろ。ある意味すごいな」



感心したような呆れたような声を出し、慣れた手つきでわたしの頭を撫でた。


わたしの男運の無さは、神級にすごいと思う。