「…陸…」


私は笑いを抑え切れなくなって、思いっ切り笑った。


「ひでぇ…」


陸は困ったように笑いながら、私に覆いかぶさった。


「…もう我慢しないからな?」


陸はそういうと、私の頬に触れた。


私は陸の手に、自分の手を重ねた。


風になびいた私の髪を、陸がゆっくり払いながら顔を近付けた。


私も少しだけ頭を浮かせた。


なんて静かなんだろう…


私達はゆっくり、そして今までの時間を取り戻すようにキスをした。


一瞬にも、永遠にも感じる時間だった。


「莉緒、一生離さないから。」


「…うん。」


世界に二人きりしか居ない様に感じた。