「姉さん、姉さん!!」


慌てて駆け付けると、莉緒が危篤に陥っていた。


移植手術の準備で行われていた治療中に、莉緒は肺炎を起こしていた。


「臣、莉緒は!?」


「…意識が戻らないと危ないって…」


莉緒…


「移植ドナーの方ですね?」


「はい。」


「中野さんの意識が戻り次第移植手術を行います。
いつになるか解らないので、それまで待機して頂けますか?」


「…わかりました。」


俺は莉緒のドナーとなるべく検査を受けた。


親族でさえ一致する確率が少ない中、奇跡的に俺の骨髄と莉緒の骨髄が一致した。


あとは移植手術を待つだけだったのだ。