あれから一年が経ち、何事もなかったように日々は過ぎていった。


「陸兄、こっちこっち!!」


臣が手を振っている。


「ごめん、遅れた。」


「大丈夫だよ、まだ始まらないから♪」


臣は真っ白なスーツに身を包んでいる。


「しかし…お前らが結婚なぁ♪」


俺がしみじみと臣を見ると、臣は恥ずかしそうに笑った。


「澪ちゃんは?」


もう準備は出来てるだろうに。


「それが…つわりがひどくてさ…
新婦待ちなんだよ。」


式は去年から言っていた通り、莉緒の誕生日に行われる。


ただ予定通りじゃないことも起こった。


澪ちゃんは妊娠三ヶ月という身重だった。