俺は階段を駆け上がって、莉緒の部屋の扉を開けた。


そこには莉緒の気配はなく、主が不在の部屋はやけに広く感じた。


手紙。


莉緒が残した手紙はベッドの上に置かれていた。


俺はベッドに座り、軽く息を吐きながら封を開けた。


ここに莉緒の思いが書かれている。


莉緒が突然いなくなった理由…


莉緒が俺からの連絡を受け付けない理由…


莉緒が何も言わなかった理由…


全てが解る…


少し手が震えた。


俺はゆっくり手紙を開いた。


莉緒の綺麗な字。


俺のために作ってくれたノートと同じ筆跡。


ささいな事が嬉しかった。


俺は一度目を閉じて、気持ちを落ち着かせてから手紙を読みはじめた。