実柚はあの日。死んだ。

桜咲き誇るあの日。

屋上にいた、親友を助ける為に。





―――――――――…


『咲子!戻ってきてよ!』

『嫌よ!!あんな教室に戻るくらいなら死ぬ!今すぐ消える!!!』


実柚の親友、咲子(さきこ)は、いじめられていて、自殺を計らい屋上にいた。
それを聞きつけた実柚は、屋上まで急いだ。
そして、説得している。


『嫌だ、やだよ咲子!!!
あたしが、守るから!!!一緒に戦おうよ!!』

『実柚…でも!』

『残された人のこと、考えて!
咲子のお母さんも、お父さんも!…あたしも!』

『ふ…あ…みゆ…』


咲子は泣き出し、元に戻ろうとしたとき。


ズルッ


『う…そ』


体が傾き、落ちそうになった。


『咲子!!!!!!!!!!!!!』


実柚が瞬間的に動き、咲子の手を引き、自分が代わりに落ちたのだ。



『みゆ?……!!!!
い、いやああぁぁぁああぁあぁ!!!』
















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