「引っ越すんだ。遠い所に」 「…引っ越す?」 音は頷く。 「『やり直したい』って。もちろん、嘘だけど」 「音…」 「当たり前だろ?」 音はあたしにキスをした。 「今度は上手くやるから」 そう言ってまた抱きしめる音を。 あたしは信じようと思ったんだ。 でも。 中1のあたし達が考えた事なんて… 甘すぎたのかもしれない。